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ここでは、分科会Iでの各事例の報告内容や感想について紹介します。
第1ブロック
「SD・自己研鑽 カテゴリー」
1.自学の大学院(ビジネススクール)通学と、大学の目標設定や職場内研修実施への活用

【事例報告の概要】
現在、私は組織派遣によって自学のビジネススクールに通学しており、経営や社会の動きを学ぶ中で、「社会における大学の役割をどのように考えるべきか」、「大学経営とは何か」について考えるきっかけを与えてもらっている。多面的に社会に触れ、さまざまな人と出会う中で、自分の大学が社会に対して果たすべき役割や、自分自身にとっての大学職員像を描き、大学職員という職業人生を全うしていきたい。

【質疑応答の内容】
・ビジネススクールに通学しようと思ったきっかけについて
→学生と接する中で、学生に与えることがなくなってしまったように感じ、より有益な情報提供及び指導ができる人になりたかったから。また、組織改革に資する経営ノウハウを学ぶとともに、社会人学生との異業種交流を通じて社会ニーズを感じたかったから。
・ビジネススクール組織派遣の対象と通学環境
→授業料・入学料分を奨学金として支援していただいており、講義の日は定時退勤させていただいている。また、宿題が終わらない場合には、休暇を活用させていただくなど、周囲が通学しやすい環境を与えてくれている。
・卒業後の目標と組織内での立ち位置について
→ビジネススクールでの学びを生かす場は「経営企画系部署」というイメージが強いが、全学的な視点で仕事をしていく上ではどの部署であってもそのノウハウは活用できると思う。

以上の質疑応答の他に、各大学における組織的な人材育成体制や研修制度を紹介し合い、各自がどのようなスキルアップを求めているのかディスカッションを行った。

【事例報告を行って気づいたこと、考えたこと、新たに得たヒント等】
どの企業・組織でも同様のことであるが、研修に参加した人間が、その学びをどのように生かしたいのか、また、参加させた企業がその人材をどのように生かしたいのか、この両者が一致している組織が強いと感じた。そして、研修に参加した者は、「学んだ経験を生かすための努力」を率先して行っていかければならない!


2.職員開発能力工房「シリウス」及びアドミニストレーターコロキウム(アドコロ)の開催について

【事例報告の概要】
分科会Ⅰ「自己研鑽」というテーマをもとにSD研修について発表を行いました。具体的には、岩手大学で開催したアドミニストレーターコロキウム(以下アドコロ)、山形大学で開催した大学職員能力開発工房シリウス(以下シリウス)を例として取り上げ、その成果の1つとして、東北地域にネットワークという新たな「芽」が芽生えはじめていること、そのつながりからまた新たなイベントが生まれようとしていること、さらに将来的には、それぞれが行っている各活動のネットワークをつなぎ合わせることによって、そのネットワークという「場」自体が「お互いの成果の相互還元の場(「気づきの場」)」となり、より大きなコミュニティーで、今後の大学を創り上げていければという構想をお話ししました。
グループワークでは、事例紹介についての質問や自主的に行っているSD研修について、疑問に思っていることを質疑応答形式で議論しました。質問内容としては、どのように周りを巻き込んでいるのか(参加者確保の秘訣)、イベントの開催経費はどうしているのか、勉強会等を長く続ける秘訣等々質疑応答を行いました。また、事例発表時、最後に問いかけを行った「このような研修会に参加している動機」や「研修会の必要性」についても議論を行い、「つながりの必要性を感じ、つながりを求めて参加(井の中の蛙ではダメだ!)した」、「他大学の情報を直に聞いてみたかった」、「通常業務における何らかの気づきを得られれば」等々、さまざまな意見が出されました。
分科会Ⅰを通して感じたことは、それぞれ個々が今後の大学について何らかの「危機感」を持っていること。その危機感に対して、何をすればいいのか悩みながらも、ただじっとしているのではなく、現状から一歩踏み出すために、学び・活動し続けていること、そのための何らかのヒントを得るために、このような研修会に参加し、自分を磨きつつ、まわりとの「つながり」を創りあげていること。その一つ一つの行動は、それぞれ個々が自分の大学の将来を見据え、今の自分自身に何ができるのか考えた上で行動している、そのような大学職員が全国に大勢いることを知る良い機会となりました。


3.「商大職員による商大のための商大LvUP」研修会

【事例報告の概要】
全省庁予算10%カットというニュースをきっかけに、危機感を抱いた我々は、置かれている状況を把握するために、小樽商科大学(以下商大)の財務に詳しい予算係長を講師にアングラ勉強会を実施しました。
現状を認識した結果、組織が目指す方向を理解した上で、商大の価値を高める必要があり、そのためには組織に余力をもたす必要があると考え、まずは個人能力をUPさせる研修会の実施を決めました。
本研修は、個人能力UP(第1弾)→商大の価値創造(第2弾)→戦略の構築(第3弾)という3つ柱で構築しています。第1弾では、全職員に対して日頃の工夫や課題についてインタビューした後、グループ毎に課題を再設定し、課題解決のための取り組みを成果発表会にて全体で共有しました。更に取組事例集を作成しており、実際に全学的取組として実施されたものもあります。

~取組事例内容~
・資料作成to整理forスピードアップ
・共済組合の手続きに関するHP作成
・『日報』によるスケジュール管理と組織力強化
・ショートカットキー早わかり表の作成
・新人職員ハンドブックの作成

【質疑応答の内容】
・勉強会発足のきっかけについて
有志メンバーが状況を理解するために、財政シミュレーション業務等にも携わっていた予算係長に講師を依頼し、アングラ勉強会が実現。その後、参加メンバーを拡大し、本学の「自主研修支援要項」に申請し組織的位置づけを得て研修会を実施することとなった。
・新人ハンドブックなどの管轄はどこか。
総務課(人事係)の管轄とし、作成メンバーと連携して更新作業等を行っていくこととなった。来年度以降、更新作業を行うメンバーは変更していく予定である。 【事例報告を行って気づいたこと、考えたこと、新たに得たヒント等】
SD・自己研鑚というテーマに沿って発表させていただきましたが、商大は小規模大学ならではの強みを持っているのだということを改めて気付かされました。
現在は第2弾として、商大の価値創造をテーマに、全職員を対象としてメンバー募集し、課長や係長なども交えてグループを構築し、各々練りの作業をしております。今は職員が中心ですが、小規模大学の強みを存分に活かし、大学を支える人材としていずれは教員も大きく巻き込んだ形を目指しております。


「国際化 カテゴリー」
4.留学生に対する日本人サポーター(チューター)制度について

【事例報告の概要】
事例4については、まず、本学におけるチューター制度の概要や、私が担当している中で感じた、この制度の良い点、悪い点、運用上の問題点などを説明した。一番大きな問題点として、私が強く感じていたのは、チューター業務を担っている学生からの意見を制度に反映していない事である。そこで私は、チューター10名程度を集めての情報交換会を催した。課内で話し合っていては決して出ないような意見がいくつか出され、中には実現までに時間がかかるものもあったが、出来る範囲で少しずつフィードバックしている。しかし、本学の制度だけを見ていても見えない部分があるため、他大学のチューター制度について、どのように運用されているか意見を伺った。サポート期間や報告の仕方など細かなところで違いはあるものの、同じような運用をされていて、同じような悩み、問題点がある事が分かった。質疑応答をしていてとても参考になったのは、「留学生センター発信の、日本人学生による留学生サポートサークル」「留学生と地域住民の交流会」である。本学は、留学生会はあっても日本人サークルは無い。また、交流会も活発に行われている訳ではない。2つとも大学全体の体制に関わることなので実現までには時間が掛かると思うが、是非、提案してみたい意見だった。このような目から鱗な意見を始め、沢山の貴重なご意見を頂いた事は、大変勉強になり、刺激になった。私の紹介事例について意見交換が出来た事に大変感謝します。ありがとうございました。


5.Hop, Step, Leap!―文部科学省国際教育交流担当職員長期研修プログラム(LEAP)とその後―

【事例報告の概要】
国立大学職員を対象とした研修の一つとして「文部科学省関係機関職員国際業務研修」及びそれに続く米国での「国際教育交流担当職員長期研修プログラム」の紹介をしました。この研修には例年10名程度の国立大学職員が参加し、文部科学省内の国際関係部署で国際業務研修生として実務研修を行った後、アメリカへ派遣され、語学研修や現地の大学でのインターン等を行っています。発表では、昨年度このプログラムを修了した経験をもとに、応募から帰国までの約2年間の概要をスケジュールに沿って説明しました。   発表後は、今年3月に共に帰国した北海道大学、名古屋大学、大阪大学の職員を交え、四者それぞれの視点から参加者の質問に答えました。特に研修に参加するメリットや何を学び、大学にどう還元しているかということに質問が集まりました。質問を受ける私たち自身も、質疑応答の中で研修を振り返り、今後どういった道を進んでいきたいのかを改めて考えることができました。また、研修成果を職務に活かしていくことについての使命感をより強く持つようになりました。 15名の参加者のうち、今回のコクダイパン会議で初めてこの研修について知ったのは5名ほどでした。特に小規模の地方大学からの参加者で、予想はしていましたが、2年間、大学職員の身分のまま若手を外部機関へ派遣できない大学の厳しい予算状況を垣間見た気がしました。また、この優れた研修制度について、多くの職員に興味を持ってもらえるよう、今後も地道に学内外で広報していきたいと思いました。


「業務改善・効率化 カテゴリー」
6.公文書管理法施行に伴う文書管理体制の見直し

【事例報告の概要】
皆さん、こんにちは。国立大学法人滋賀大学総務課の足立です。分科会に来てくださった皆様、どうもありがとうございました。本文では、分科会ではタイムキープが上手くいかず質疑応答の時間が設けられませんでしたので、少し変則的にはなりますが、コクダイパンの発表準備をしていく上での「気づき」等について書かせていただきたいと思います。
国立大学法人に勤務する私達にとって、文書の管理は非常に重要なものですが、ともすればなおざりになってしまいがちです。(たとえば、移動した直後等に「この文書ファイルはどこにあるんだ?」という事はありがちなことかと思います。)
こんな事例発表をしておいて何ですが、もちろん本学とて例外ではなく、文書ファイル管理簿どおりに管理していないことも度々あります。コクダイパンの発表準備のついで(?)に、平成22年度の文書ファイル管理簿の更新も並行しておこなったのですが、諸々の問題がでるわでるわ・・・という感じで、改めて文書管理の新体制に移る難しさを感じた次第です。
とはいえ、こうやってコクダイパンの準備作業をしていく過程で、今まで意識しなかった問題が明らかになったり、また、自分の中の文書管理に関する仕事の考えの整理が出来ました。「発表とかしても、大変なだけで仕事に益がないんじゃないの?」と考える人もいらっしゃるかも知れませんが、実際はその逆だと思います。準備作業で行った事が、自分の血肉になっていくことが如実に感じられましたので、皆さんも是非、来年は発表してみてはいかがでしょうか。
拙い文でしたが、最後までお付き合い頂き、どうもありがとうございました。


7.縦割りの解消と業務の共有、マニュアル作成

【事例報告の概要】
今回の発表では、国立大学で業務改善が必要とされるようになった経緯を紹介したのちに、所属している部署での業務改善の事例を報告しました。
業務改善は以下の四点で、①個別業務の共有②ローテーション制(業務の均一化)③業務の再確認④業務マニュアルの再編が挙げられました。
以上の変更点を加えた業務分担の組織図が以下になります。改善前と変更があった業務の部分を赤字での表記とさせていただきました。

今後の課題としては、継続的な業務の効率化、業務の共有に伴う職員間での情報共有、業務マニュアルの周知などを報告しました。

【討論】
・縦割りの業務体制を職場で実感したことはあるか
・縦割りの業務体制を改善したことはあるか
・なぜ縦割りの業務体制を改善したいと思うのか
主に上記のテーマで、参加者の方からの意見をもとに縦割りの業務体制を解消するためのアプローチ方法を話し合いました。参加者の方からは、「部署全体で共有できるツール(パソコンでの共有フォルダなど)を作る」「引継ぎの際のマニュアルの作成を徹底する」などの意見が出ました。また一方では「専門性の高い業務など、縦割りで業務を行わなければいけない部分もあるのでは」といった意見も出て、問題意識は同じであっても業務改善へ対照的な視点からのアプローチ方法も検討しました。

【感想】
今回の分科会では、参加者間で同じような問題意識を共有し、お互いの意見に触れる場を提供したいと思っていたので、参加者の方の率直な意見、熱い意見が聞けたのが何より良かったです。
国立大学は平成16年に法人化し、各大学でも中期目標・中期計画の一環として業務改善事項が設けられています。業務の効率化・迅速化はどの大学でも求められている課題である一方で、どのレベルまで従来の体制を再編するのか、新たなシステムを作るのかといった明確な方向性を決めるのは大学ごとに異なっているため、大学の規模や職員数、部署の配置などに応じた解決策が必要とされていると思います。
この分科会をきっかけとして、それぞれの大学の組織のなかでも疑問に思ったことなどを職員間で出し合い、新たなアプローチ方法が生まれたり、大学を越えたネットワークが作られたら、いち大学職員(パン!)として嬉しく思います。


8.情報系センターにおける利用者対応の環境改善について

【事例報告の概要】
報告者の勤務先である名古屋工業大学情報基盤センターにおける利用者対応の時間的コスト削減施策の概要について報告した。
定形業務の中でも最も占める割合の多い利用者対応に対して、
 ①利用者に必要な情報を分かりやすく整理・作成し、ウェブや紙媒体で積極的に提供
 ②スタッフ間でルールを定めることや情報・ノウハウの共有
 ③適切な部署に業務を再分配し、部署間連携を更に強化
を講じることで大幅に時間的コストを削減し、現在も更に改善を進めている。
また、この他にも
 ①改善・効率化すべき業務の割り出し方
 ②業務の改善・効率化を行う上で、相談する相手を直属の上司ではなく技術職員や教員にすると意外にもすんなり解決するパターンも多い。
 ③何をするにも外堀から埋めて、とにかく周囲の理解を得ることを最優先事項とする。
 ④業務の改善・効率化を行う上で、一番の超えるべき存在は自分自身。Stay hungry, Stay foolish. を簡単に紹介した。 【質疑応答】
質疑というよりは各組織の現状といった意見が多く挙げられた。以下に要点を絞る。
・情報関係の専門職員が非常に少なく、事務職員や学生アルバイト(TA)も動員されている状況。
・部署をまたがる業務はまず他部署と話を進め、最後に「これで良いですか?」と直属の上司に確認するとスムーズ。
・教員免許等にかかる予算の付け替えを定額にしたことで100時間程度の時間的コストの削減を達成した。
・外堀から埋める方法は大学組織には有効。とにかく普段から周囲に話を拡散させることが大切。
・業務改善を行うにあたり、他大学の事例を引き合いに出すと上司の理解が得られやすい。
・名大病院の電子カルテは先進的な名古屋市大を大いに参考にしている。

【事例報告を行って気づいたこと、考えたこと、新たに得たヒント等】
他大学もやはり同様の悩みを抱えている。
・問題解決の手法に事務職員も技術職員もない。
・次回のコクダイパンでは事例紹介だけでなく、実践的なノウハウを伝える機会があると良いと考える。
 →一般Word講座やマニュアル作成講座、FD研修、リーダー研修など


「広報活動 カテゴリー」
9.広報パンフレットの企画作成

【事例報告の概要】
核融合科学研究所では、専門スタッフの案内による施設見学を実施し、年間5,000人を超える見学者を受け入れています。年々増加する見学者向けに新しいパンフレットの企画立案から原稿の作成、広報委員会や見学案内担当者等との協議、印刷業者との打合せなどを中心になって進めました。
核融合は実用化以前の研究分野ということもあり、学校教育の中で取り上げられることがほとんどなく、「核」の文字から「危ない」というイメージが先行しがちです。見学者に対しては、専門的な情報よりもむしろ一般的な説明で「核融合はエコで安全」ということを理解してもらうことが重要だと考え、新しいパンフレットを作ること、さらに、その原稿は見学者に近い感覚を持つ事務職員が作成することを委員会に提案しました。現行のものと用途を明確に分けて、新しいパンフレットが果たす役割を説明し、委員方には内容や表現の確認を依頼したところ、幸いにも委員長の賛同と協力が真っ先に得られたこともあり、比較的スムーズに編集作業を進めることができました。
また、広報活動以外に、たとえば予算要求時の説明資料についても、専門用語満載の難しいものよりもポイントを押さえた分かりやすいものが求められているようです。一方的な情報の押し付けにならないためにも、相手が何を求めているのか、こちらが一番伝えたいことは何か、その内容をよりよく理解してもらうためにはどうアプローチすればよいか、などの観点から考えていくことで「伝わる」ものができるのではないでしょうか。研究者と社会をつなぐ架け橋として、事務職員にできることはきっとたくさんあります。 今回の事例で取り上げたパンフレットは、核融合研のホームページでも公開していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

○見学者用パンフレット「未来をつくるエネルギー 核融合」
http://www.nifs.ac.jp/pub/pamphlet/ene2010.pdf (PDF,4MB)


10.事務だから、若手だからできること ~長大病院ジムレンジャー通信~

【事例報告の概要】
「長大病院ジムレンジャー通信」とは、長崎大学病院の若手事務職員有志が編集部員として月に1回発行する院内広報誌です。 そのコンセプトは“日頃聞き流されがちな情報の中でも特に現場レベルの生きた情報を、現場で頑張っている医師、看護師等に届ける”こと。5色のキャラクター「ジムレンジャー」をマスコットに、事務と現場の架け橋となるべく、平成22年1月から毎月発行されています。
今回の事例報告では、誕生の経緯や内容、編集部員として得られたこと、病院内に起こった変化等についてお話ししました。

【質疑応答の内容】
グループに分かれてからは、過去に発行されたジムレンジャー通信を参加者の皆さんに実際に見て頂き、同時進行で質疑応答を行いました。ここでは、実際にあった質疑応答のうち2点を紹介します。
1.発行するにあたり編集部員の負担はどれほどか。
記事案及び記事の作成、記事を決定する月に1回の編集部会議(1時間程度)、作成された記事、レイアウト等確認・修正のためのメール会議等。また、レイアウトについては、病院広報担当でもある編集部員が、専用ソフトを用いて作成している。
2.ジムレンジャーのキャラクターは誰が考えたのか。
とある編集部員がデザインしたもの。投票で広報紙の名称が「長大病院ジムレンジャー通信」と決定した後、その編集部員がいくつか案を作ってくれ、その中から採用された。

【事例報告を行って】
予想以上に皆さんに興味を持って頂き、また“自分の部署でもやってみたい”“これからも活躍して欲しい”といったコメントも頂き、報告者としてとても幸いでした。
最後になりますが、職種の壁をなくすには相手を理解し、自分を理解してもらうことが重要だと私は考えています。より事務部を理解してもらい、長崎大学病院をより働きやすい職場にするためにも、これからも現場との架け橋として「長大病院ジムレンジャー通信」を発行し続けていきたいと思います。


11.キャンパスマップ「Welcome!京大」の発行について

【事例報告の概要】
前半の事例発表では、「Welcome!京大」作成の目的と完成までの流れを簡単にお話し、企画から発行までを担当するという貴重な経験を与えてもらった経験から、「興味のあること・理想の働き方について、日ごろから自分自身で考えて周りの人に伝えていけば、理解者が出来て楽しく働けると思います。」というメッセージをお伝えしました。
後半の意見交換では、皆さんに自己紹介と事例に関するご質問をいただき、自己紹介後に私からまとめてご質問にお答えしていきました。私からの一方的な回答になってしまった上に、時間の関係でお答えできていない質問も多く残ってしまったのが反省点でしたが、それだけ皆さんに興味を持って聞いて頂けたことは嬉しかったです。 「Welcome!京大」は、京都大学に見学に来る中・高校生に短い時間で少しでも大学の雰囲気や学生生活を知ってもらうために学生の全面的な参加により作成しました。企画の立ち上げから、学生メンバーを決める段階、コンテンツを作成する段階、完成後の配布・広報段階などについて、その時々の経験談を交えながらお話しました。

意見交換では、「冊子の更新はどうするのか?」「関係者間の意見調整はどうしたのか?」などの質問を頂き、更新については課題となったまま引き継いでいることや、関係者間の調整は直接会って話をして最後はこれまでの人間関係や協力者の力添えで乗り越えたことをお答えしました。一方で、これまで私自身意識していなかったコンテンツを作成者の著作権の問題や、実際に学生側として大学の活動に参加していたという方のご意見も聞くことが出来て、私自身にとっても勉強になりました。


第2ブロック

「総務企画系 カテゴリー」

12.インターンシップに関するリスクマネジメント

【事例報告の概要】
インターンシップの実施にあたって大学に生じうるリスクについて、総務企画系として、リスクマネジメントと組織上の観点から、大学での現状を踏まえつつ、問題点についての説明・紹介を行いました。

【グループディスカッションの内容】
マニアックな内容であったため若干の質疑応答にとどまりましたが、インターンシップの担当窓口が一本化されていなかった現状とそれに対処するための緩和策の説明に対しては、より根本的な解決策について指摘がなされました。対応が統一化されていないなどの組織上の問題点については、単科大学などについてこれを見ると、問題として掲げられることがほとんどないとの指摘も受けました。また、関連する話題として、内定取消に関する大学の対応についての問題にも言及されました。

【報告者の感想】
参加していただいた方の反応を見ると、報告としては失敗だったかな、と感じています。リスクマネジメントという馴染みのない分野を対象にしたことと、問題解決のために自分が一職員としてどのように関与したかについて説明を厚くしなかったことが特に原因だったでしょうか。今回の反省をバネにして、今後の議論や報告に生かせたらと思います。
他方で、上述したディスカッションにおける指摘から、問題認識とその解決のための思考については、他の大学においても共通化したものがあると感じることもできました。この点については、有意義な発見・確認を得ることができたと感じています。
最後に、この場を借りて恐縮ですが、拙い報告であったにもかかわらず、参加者の方々には各自ができうる限りの発言をして場を保っていただき、誠にありがとうございました。


13.経営企画的な機能を担うPMTについて

【事例報告の概要】
経営企画的な機能を担うPMTの業務内容の紹介、その組織の目指す将来像、経営企画的な業務を進めるに当たっての課題等について説明をしました。
質疑応答では、最初に、参加者の各大学における総長室等の役割やその活動状況について報告してもらいました。
次に、参加者からは、PMTを設置した経緯、事務組織上の位置づけ、より具体的な活動事例等の質問があり、個別に回答を行いました。
特に印象に残っている質問は、「ルーティン業務を持たない部署はだんだん業務がなくなっていくのではないか?」という質問と、「権限がないとなかなか仕事がしづらいのではないか?」という質問でした。

1つ目の質問については、大学経営に関わる課題は、取り組めば取り組むほど増えていく傾向にあり、なくなることはなく、重要度を見極めて、メリハリをもって業務に取り組むことが大事になってくると説明しました。2つ目の質問については、PMTは権限がない代わりに、執行部や管理職クラスの職員と直接話すことが許されているので、コミュニケーションをよく取って、課題等を進めて、小さな成果を少しずつ積み上げて行くのが大事になってくると説明しました。
事例報告を行って、自分自身がまだまだPMTをフル活用できていないのではないか、と感じました。もっと意欲的に業務に取り組み、もっと事務職員が大学運営に関わっていくことの可能性を広げていきたいと思いました。


14.「中期目標・中期計画ハンドブック」の作成

【事例報告の概要】
本年7月に発行された『京大中期目標・中期計画ハンドブック』について、その作成に至るまでの経緯を報告しました。概要は以下の通りです。
・大学の構成員が方向性を共有できていないのではないか、という問題意識から、当初は企業における「○○ウェイ」の京都大学版の作成を考えていたが、《すでに大学が持っている》《構成員全員が共有すべき》《仕事としてできる》という3つの現実的な条件を踏まえ、「中期目標・中期計画」をテーマにした。
・東京大学の「FOREST2015」や愛媛大学の「中期目標・中期計画ポケット版」を参考に、新規採用職員をターゲットとした、わかりやすいコンパクトな冊子というコンセプトを決めた。
・完全にボトムアップかつ新しい企画であったため、従来通りただ会議にかけるだけではなく、役員(総長・理事)を1人ずつ訪ねて直接口頭で説明し、概要だけではなくハンドブックに込めた思いを自分たちの言葉で伝えた。また、新規採用職員研修で配布してアンケートを行い、ターゲットである彼らの意見を聴取した。

事例報告後の質疑応答では、「このようなボトムアップ型の企画はよくあることなのか」「ハンドブック配布後の構成員の意識の変化はあったのか」といった質問が出されました。また、各大学の理念や中期目標・中期計画に対する取組をあげてもらい、グループで共有しました。
今回の事例報告で私が伝えたかったのは「業務をベースにした企画」という発想です。コクダイパン会議や勉強会など、意欲ある職員が集まる場では、どうしても「大学をどうするべきか」といった大きな議論になりがちです。たしかにそのような“俯瞰”の視点も必要なのですが、まずは自分の領域で何ができるかを見極め、行動に移していくことが大事ではないだろうか…と、ここ数年ずっと考えていました。頭でっかちにならず、自分の仕事でしっかり結果を出したい???その思いが結実したのが、このハンドブックでした。
私が置かれた環境に加え、さまざまな偶然が重なった特殊な事例ではあるかもしれませんが、参加者のみなさんが「一歩を踏み出す」きっかけやヒントになればいいな、と願っています。

《京大中期目標・中期計画ハンドブック》
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/issue/mid_term_handbook



「人事系 カテゴリー」
15.moodle(学習支援システム)を利用した選択形式の教育シミュレーション研修システム

【事例報告の概要】
私からは、『moodle(学習支援システム)を利用した選択形式の教育シミュレーション研修システム』について報告しました。このシステムは、東京医科歯科大学が平成21年度大学教育・学生支援推進事業【テーマA】として採択されました「コンピュータによる診療模擬実習の展開」をベースとして、それを筑波大学風にアレンジしたものです。
本事業の具体的な特長については東京医科歯科大学のウェブページをご覧いただくとして、本学での取り組みの特徴は、東京医科歯科大学のような学生を対象としたコンピュータシミュレーション教材としてではなく、職員向けの研修用として利用したこと、プログラムにおけるコンテンツの作成を新人研修に位置付け、新人にチームを組ませて作成に当たらせたことにあります。このことにより、研修対象者の連携力・企画力の向上や、明確な成果物があることによる対象者のモチベーション向上等が期待できると考えています。
皆様からは、学習支援システムそのものや、研修対象者の反応、作成過程における課題、今後の展開について等のご質問をいただきましたが、多岐に渡っていたことと、具体的な内容についてのご質問が多かったことが印象的でした。

この事例報告の準備や、皆様とのやり取りを通じて、この取り組みの重要な点として、「今ある資源を有効に活用する」ことがあるのではと気付きました。国立大学法人等を取り巻く状況は決して良いとは言えませんが、すでにある資源を見直し、より有効に活用することが一つの打開策になると思います。そのためにも、自分の業務だけでなく、自学について、そして自学を超えて、より知ろうとすることが大切なのではないかとの考えに至りました。


16.大学職員における人材育成・能力開発について

【事例報告の概要】
高知大学では、現在中期目標・中期計画で事務職員の能力開発に関する基本方針を作成している段階にあり、この過程で職員の能力開発を行うに当たって、いくつか決定した事項がありました。報告ではこれらの決定した事項のうち、「新人職員への育成」と「職員対象の英会話研修」を報告しました。

【質疑応答】
時間配分が上手くできなかった部分がありますが、「新人職員への育成」については、新人職員に対する指導の内容についての質問がされたほか、現在、本学が参画しているSPOD(正式名称:「四国地区大学教職員能力開発ネットワーク」)でどのような研修が行われているかという質問があげられました。一方、「職員対象の英会話研修」については、研修の内容についていくつか質問があった後で、それぞれの大学で行われている英会話研修の実施内容について意見が出されました。

【感想】
質疑応答の時間はそれほど長くはありませんでしたが、参加者の方と議論ができたことは非常に有意義であったと思います。今回、このような事例報告を担当させていただいたこと、また参加者の方にはいろいろと発言いただき誠に感謝しております。


17.職員のメンタルケアについて

【事例報告の概要】
本事例発表では、発表者の病休取得体験を議論の契機として、職員がメンタルの問題を抱えてしまったとき、本人や周囲の人はどのようにそれを受け止め、乗り越えていけばよいのかについて、参加者のみなさんと話し合いました。
冒頭の事例発表では、「もしも明日、あなたの隣の席の人がメンタルの問題でいなくなったら?」という問いかけに始まり、精神的な不調による休職者に特有の問題―代員がつかない、職場の士気の低下や不安の連鎖を招きやすい、発覚が遅く急に問題化することが多い―などについてお話ししました。さらに、東京大学の人事制度を簡単に紹介するとともに、各大学の病気休暇や復職にかかる規程を参加者のみなさんがどの程度ご存じなのかについてもお聞きしました。
グループ討論では、メンタルの問題による休職者について、個々の大学での現状や制度上の課題、今後の見通し等について話し合いました。活発な意見交換が行われ、以下のような情報がやりとりされました。
・人事制度については、身近な人にメンタルの問題が生じるまで気にしたことがなかったという声や、大学に戻って改めて調べてみたいとの感想が多かった。
・企業在職経験者のコメントによると、精神的な問題で休職する職員に対する処遇は、大学の方が民間よりも手厚く感じるとのこと。
・産業医の配置数が不足していたり、存在自体があまり認識されていなかったりする。
・病気休暇の取得などが勤務査定に響くことが最も気になるという声が多く聞かれた。

普段は正面から話し合うことがあまりない話題であるため、今回のような機会を設けられたこと自体が貴重でした。短時間ではありましたが、ひとりひとりに真剣に考えていただくことができ、参加者のみなさんには心から御礼申し上げます。内容的には現状の共有に留まった部分も否めなかったので、より具体的な対策や制度改善につながるような議論に繋げていければと思います。余談ですが、後日参加者のお一人から「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」のご案内をいただきました。一般的な結論を出すことは難しい問題ではありますが、情報交換や学びの機会を利用しながら、これからも考え続けていきたいと思います。



「会計系 カテゴリー」
18.大学の内部統制

【事例報告の概要】
監査部署を担当している者として、大学の監査・管理体制について普段から考えていること、また内部統制を強化する理由とそのことの意味、今後の構想等について、岩手大学の現状を交えながら述べました。

【質疑応答】
新聞等の報道にもあった、研究費の不適切経理の話題が中心となりました。どの大学でも検収センターの存在意義や検収体制には悩んでいるようで、検収センターを設置しているにもかかわらず、不正が行われている矛盾をどう解消するかが今後の大きな課題になりそうです。また、監査室の体制についても同じで、マニュアルの整備や監査内容について他大学の取り組みを聞きたいという意見も多くありました。私のグループに集まったみなさんは業務に対しての意識が高く、非常に活発な意見交換ができたと思います。

【報告】
内部統制の役割は、不正のないクリーンな環境であれば薄れていくものだと思います。ただ、その薄れていくなかでも監査・管理体制は確立していく必要があります。
質疑応答の場でも話しましたが、マニュアルの整備にも長所短所があり、単純にマニュアルを整備すれば監査体制の強化や質の向上につながるということはないと思います。また内部統制はお金のチェックだけでなく、業務の効率性や透明性の確保の側面もあります。運営費交付金の削減等も今後予想され、資金管理であったり、業務の効率性・透明性、あまた社会的な説明責任は今以上に求められてくると思います。そこで監査室をはじめ、内部統制の持つ意味は重要になってくると思いますので今回の意見交換が各大学での監査業務の向上の参考になれば幸いです。個人的な話をすれば、10月から異動で今回得た情報を業務に活かす機会はなくなってしまい非常に残念ですが、個人の意識としてこれからも持ち続けていきたいと思います。


19.診療費の未収金対応を通してのカスタマーサティスファクション

【事例報告の概要】
診療費の未収金についての対応を、弘前大学医学部附属病院を例にして紹介した。
未収金の主な発生要因としては診療費の未払い及び高額請求がある。その対策として、診療費の未払いについては、分割払いの相談・督促・裁判・クレジット清算の導入等があげられる。また、高額請求の対策として、限度額認定証の周知・市町村等の高額医療費貸付制度の案内等があげられる。その他に、方言を使った窓口対応、事務職員の定期的な院内巡回、院内コンサート等、サービス面においても紹介を行った。

【質疑応答】
○督促や裁判を行う際の費用対効果について
A:督促手段は主に電話であるが督促状及び訪問督促を行うこともある。これらは未収金を回収するのは勿論、債権が時効により消滅するのを防ぐことや、地域住民に対して未払いの抑制効果も目的であり、これにより支払い始めるなど長期的費用対効果は特に有効である。また、訪問督促を行う際は公用車を利用し旅費をかけないようにしている。裁判は債権金額が多く、特に悪質な未納者に行った例がある。 ○限度額認定証の案内について
A:ポスター及びチラシの掲示だけではなく、入院する際に口答でも案内し提出を促す。また、提出が遅い場合などは電話等で連絡し、高額請求にならないようにしている。なお、入院する際に申込書を記入させ連帯保証人を付けさせている。 ○債権の管理について
A:督促した際は内容を全てメモし紙媒体で保管している。また債権自体はデータでも管理している。また、未収金の回収が不可能な債権はみなし消滅を行い業務の効率化を徹底している。

【考えたこと】
未収金を回収することは督促を行い、時には裁判など、患者やその家族にとって少なからず不快感を与える。しかしながら、未収金を放っておく訳にはいかない。その診療費が薬品及び医用機器の購入、医療スタッフの給与等、他の患者のために使われるからである。また、各未納者に合った支払い方法を相談し対応することにより、未払いによる不安感・罪悪感を和らげることができるのではないか。


20.震災による流通停滞への調達担当の対応

【事例報告の概要】
平成23年3月11日に発生した東日本大震災による宮城教育大学の被害状況を被災個所の写真を資料に報告しました。現在把握できている限りの被害状況(被害額、被害件数、ライフライン復旧までの日数、など)を具体的な数値を踏まえ、その状況で行った対応を報告しました。また最後に危機管理の意識について震災を経験した立場から各大学のみなさんへ訴えました。 【質疑応答の内容】
最初に参加いただいたみなさんからの質問に答え、その後、事例報告者のほうから各大学の危機管理について質問をし、参加者に挙手制で答えていただきました。質問は主に震災直後の業者との対応や職員として行うべき対応があり、実際に行った対応を言うことで回答しました。

【事例報告を行って気づいたこと、考えたこと、新たに得たヒント等】
事例報告にて各大学の危機管理マニュアルがある場所を再確認して災害時に適切で早急な対処できるようにすべきと訴えかけた後に質疑応答にて「危機管理マニュアルで全て対処できるのか?」という質問を受けました。震災当時、適宜マニュアルを使用しましたがマニュアルに載っていないことも多々行ったことを思い返し、現在のマニュアルが十分なものなのか考えさせられました。

被災地からも遠い、全国の大学職員の方々に興味を持っていただき、その方々に事例報告ができたことを嬉しくい思います。また、震災時に各大学より多大な支援物資をお送りいただいたこと、心から厚くお礼申しあげます。



「学生系 カテゴリー」
21.奨学金制度における手続き・情報発信の見直し

【事例報告の概要】
本学では、長引く不況の影響からか、奨学金の受給希望者が増加している中で、「募集終了後に受給を申し出てくる新入学生」、「2年次以上になり急きょ奨学金が必要となる学生」が多数見られました。
それらの原因が、本学の学生生活において、どの時点で奨学金が必要となるかについて、大学側から学生への情報発信が不足していることにあると考え、「方法」、「時期」、「質」の3つの点で見直すこととしました。

「方法」:
新たに、新入学生・在学生を対象とした「奨学制度事前説明会」を実施する。

「時期」:
① 新入学生向けの説明会
入学前の入学手続日に開催した。開催通知は入学手続資料に同封し、当日は保護者も同席可とした。
② 在学生向けの説明会
在学生向けの募集が開始される前、平成23年2月中に開催した。

「質」 :
説明内容を大きく2つの点に分けました。
① 奨学金について学生が思い込みがちなこと
・奨学金は「いつでも・だれでも」応募できるものではない
・募集は年度当初に集中し、追加募集は、一部を除き、まず行われない 等
② 工学系単科大学特有の学生生活に合わせた奨学金の受給
・奨学金は欲しい時にすぐ受給できないので、学部3年以降の研究室配属後の生活の変化による収入源や様々なチャンス(留学、学会参加等)をつかむための費用も考えて、事前に準備しておくことが大切 等

今回の取り組みにより、「奨学金の応募者数、特に新入学生が増えた」、「説明会資料の配布により同内容の問い合わせが減った」等の効果が見られたので、次年度は、講義スケジュールに合わせて開催日時を設定する、開催数を増やす等の改善をする予定です。
質疑応答では、奨学金制度を取り巻く各大学の状況、留学生向け奨学金の取り扱い等について意見交換を行いました。
奨学金は学生が自ら申し込むもので、大学から薦めることは難しい状況ですが、学生がより良い学生生活を送れるように情報発信に努めていきたいと思っています。


22.授業料免除の申請書類の見直し

【事例報告の概要】
1.授業料免除等の制度について
2.申請書類の改善点について
3.申請書類を改善した理由について
4.改善による成果について

【質疑応答】
(質問1)申請書類の見直しにあたり、参考にしたものはなにか。
(質問2)申請書類の見直しにあたり、他の部署等との連携が必要だったか。
必要だった場合、他の部署等にはどのように対応したか。
(質問3)様式を変更した際、上司から反対等はなかったか。
あった場合、どのようにして見直しに至ったか。
(質問4)日本語が堪能でない留学生に対して、申請書類の変更以外に工夫している点はあるか。
(質問5)申請書類の見直しにあたり、気をつけた点・工夫した点はあるか。
(質問6)申請書類の見直しを行った後、申請者または職員から分かりやすくなった等の意見はあったか。

<回答1>他大学のチェックシートを参考にした。
<回答2>他の部署等との連携は特に必要ではなかった。
<回答3>本学では、授業料免除について把握しているのは自分だけであり、上司等も詳細については知らないため、特に反対等はなかった。
<回答4>本学では、日本語が流暢な留学生ばかりであり、日本語の申請要項等を配布している。これまで、特に留学生に対して特別な対応をすることはなかった。
<回答5>気をつけた点は、平成22年度後期分の授業料免除申請受付の際に、すでに平成23年度前期申請分から見直しを行うと決め、学生が誤解を受けやすい内容等についてメモをとっておいた点。見直しの際には、そのメモ書きを反映させた。
また、工夫した点は、本学の学生は説明文等を読まない傾向にあるため、文章よりも単語で表現した点。
<回答6>直接、申請書類等改善後の評判を聞いたことはない。しかし、改善後、不備書類が減ったという印象を受けた。


23.学生と職員による共同プロジェクト『商大くん手帳』の製作について

【事例報告の概要】
手帳製作・配布がもたらした教育効果を3つの観点から報告しました。
1.手帳を配布したことによる新入生への教育効果
2.製作に携わった学生メンバーへの教育効果
3.製作に携わった職員(自分)への教育効果

【商大手帳製作を通して感じたこと】
・職員でも「教育」に携わることができる!
→教員だけではなく、「職員一人一人が積極的に教育に関わっていけば、大学教育の形が変わるのでは!?」と感じました。
・職員が学生と関わるだけで「教育」が生まれる!
→お互いに良い刺激を受け、共に成長することができました。学生と関わることはSD(スタッフ・ディベロップメント)の一つとしても効果的だと感じました。

【質疑応答】
「学生と関わるうえで大切にしていた点は何か」等、紹介事例についての質問に答えました。その後、各大学が学生と共同で取り組んでいる事例を紹介しあい、課題となっている点や意見を出し合いましたので、その一部を紹介します。

◆課題1
自分から積極的に学生と関わるのは勇気が必要で、抵抗感がある!それをどう克服するか。
(出された意見)
初めは勇気が必要だが、学生と関わるうちに次第に慣れてくる(抵抗感が無くなる)ため、まずは初めの一歩を踏み出すのが大事では!一度学生と関わって「楽しい」と感じれば、積極的になれる。

◆課題2
学生と関わりづらい雰囲気(学生と関わる仕事を業務とみなさない雰囲気)が職場にある!
(出された意見)
学生と関わりやすくなるような雰囲気作りが大切!
・上司に学生と関わる必要性を説明する。
・自分の業務に無理矢理結びつけてしまう。
・前例があると動きやすくなるので、まずは前例を増やす。等々

◆課題3
学生とのコネクション作りが難しい!
(出された意見)
・学生が多く参加するイベントに顔を出す。
・部活動やサークル活動に参加する。
・学生同士の繋がりを利用する。等々

【事例報告を行って気付いたこと等】
学生と関わりながら仕事をするには、それを「当たり前」だと周りが感じる雰囲気・土壌を作ることが大切であると気付きました。その雰囲気を作るためには、まず自分が率先して先行事例を作り、学生と関わる取り組みの有効性・必要性を証明していくことが大事なのだと感じました。



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